鉄塔の解体工事はどのように行われるのか?解体工法や注意点を紹介!

家屋や建物の解体工事は一般的ですが、場合によっては鉄塔の解体工事を行うこともあります。鉄塔の解体はどのように行うのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、鉄塔の解体工事に注目して工法や注意点などをご紹介します。それほど頻繁に行われるわけではありませんが、実際に解体されることもあります。その必要性も含めて解説を行いますので、どうぞご覧ください。
家屋や建物の解体工事は一般的ですが、場合によっては鉄塔の解体工事を行うこともあります。鉄塔の解体はどのように行うのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、鉄塔の解体工事に注目して工法や注意点などをご紹介します。それほど頻繁に行われるわけではありませんが、実際に解体されることもあります。その必要性も含めて解説を行いますので、どうぞご覧ください。
まずは、鉄塔の解体工事を行う必要性に焦点を当てていきます。全国各地に鉄塔が建てられていますが、利用中のものや特に整備が必要ないものも多くあります。一方で、解体した方が良いものや修繕が必要な鉄塔があることも事実です。
使わなくなった鉄塔を長年放置しておくことは危険です。そうした考えも踏まえつつ、解体の必要性について確認しましょう。
業務用無線やアマチュア無線、テレビのアンテナを設置するなどの目的で建設される鉄塔ですが、建設されて長年経過するものや現在では全く使われていない鉄塔もあります。
そうした鉄塔を放置しておくと近隣に被害を及ぼす危険性があります。特に老朽化した鉄塔はネジが緩んでいたりサビが発生していたりするなど、危険な状態である可能性が高いです。
鉄塔自体が崩壊することは珍しいですが、ネジやその他の部品が落下するといった危険性は十分にあります。万一、落下した場所に人がいると、大けがや死にいたるような悲惨な事故が発生しかねません。
第三者に危害を加えた場合、鉄塔の所有者や管理者が罰せられることになります。定期的に補修や修繕をしていれば多少なりともリスクを低減できます。
一方で、全く使わない鉄塔や修繕をしても状態が良くならない場合は解体を検討することが重要です。
鉄塔の解体に関しては、専門的な知識やスキルを持った業者に任せることがポイントです。一般的な建物の解体とは異なり、高所での作業や特殊な工法を用いて作業を行う必要があります。
そのため、一般的な建物を取り壊す業者ではなく、高所作業に慣れている業者や鉄塔を解体するためのスキルを持った業者を探すことが大切です。
後ほどご紹介しますが、鉄塔を解体するためには地上解体やジャッキダウン工法、ヘリコプターを利用して解体を行うことがあります。その他の工法も含めて解体スキルや実績がある業者でなければ安心して工事を任せることができません。
これまでの解体実績も含めて経験や専門性、スキルがあるかどうかを確認するようにしましょう。
鉄塔の解体はそれほど頻繁に行われるわけではないので、これといった費用相場がないところが難しい部分です。基本的には複数の業者に問い合わせをしておおよその目安を確認すると良いでしょう。
千葉県富里市の鉄塔を解体した事例では、付帯費を含めて12万円程度の費用がかかっています。鉄塔の高さや構造、規模などによって費用が変わることは間違いありません。
数十万円程度の費用がかかることを想定した上で、業者との価格交渉を行うことがポイントです。自治体が所有する鉄塔の場合は、入札によって業者を決めることもあります。その場合はあらかじめ定められた金額の範囲内で解体してもらえます。
ここからは鉄塔の解体工法についてご紹介します。鉄塔の解体は通常の建物の解体工事よりも危険が伴うものであり、十分に注意しながら作業を行う必要があります。ある程度の実績や経験がある業者でなければ、スムーズに解体できないでしょう。
施主としても事前にどういった工法で解体を行うのか尋ねておくことが大切です。複数の解体工法について理解を深めておきましょう。
地上解体の場合は原則として作業員が地上で作業を行うため、安全性が高い工法として好まれています。地上解体にも複数のやり方がありますが、例えば、トラッククレーンを利用して鉄塔を大ばらしした後に、あらかじめ設置しておいたステージにつり下ろすといった方法があります。
トラッククレーンのつり上げ能力によって1回で大ばらしする大きさを変えることがポイントです。複数回にわたってステージ上へつり下ろしたら、そこで切り離し作業を行います。
鉄塔の上に登ることが少ないため安全で確実な解体ができます。基礎付近の低層部については、圧砕機などを利用してつかみ取りすることができます。
高所まで届くクレーンなどがあれば地上解体を採用するのもおすすめです。
ジャッキダウン工法にも複数の考え方ややり方があり、業者によって工法はさまざまです。ジャッキダウン工法も基本的には地上で作業を行うため、鉄塔に登ることはほとんどありません。
1つのやり方を取り上げると、鉄塔下部のメインポストごとにジャッキ架台を設置します。その後、鉄塔下部から順次ガス切断を行い、切断部分を取り除いた後に残った上部鉄塔本体をジャッキで降下させることを繰り返すといった工法が挙げられます。
ジャッキ架台を設置することからジャッキダウン工法と呼ばれるようになりましたが、鉄塔下部を解体して徐々に高さを低くすることが特徴です。この工法も一定のスキルが必要であり、経験がないとなかなか取り組むことができません。
ジャッキダウン工法を採用する場合は、業者に対してこれまでの経験や実績について確認することが重要です。
鉄塔の解体はヘリコプターを活用して行うこともできます。その場での作業や解体が難しい場合は、ヘリコプターで鉄塔をつり上げて別の場所に移動させます。山間部など、人が少ない場所に移動させれば解体作業に伴うリスクも減らせます。
1度で鉄塔本体全てを移動させることが難しい場合は、ブロックごとに切り離して数回に分けて移動させることも可能です。移動させた鉄塔は横たわらせてしまえば、地上での作業だけで解体を行えます。
鉄塔を横たわらせるだけのスペースが必要ですが、解体自体は安全に行えます。この工法では、ヘリコプターで鉄塔を移動させる際に落下事故やその他の事故が発生しないように気をつけることが重要です。
さまざまな工法がある鉄塔の解体ですが、住宅密集地でも撤去することは可能です。住宅密集地の場合、クレーン車や高所作業車をはじめとした重機を利用できないことがあります。その場合はロープアクセスと呼ばれる工法で作業を行います。
ロープアクセス
ロッククライミングの技術を応用したもので、空中に固定したロープにぶら下がりながら作業を行う専門技術。
ロープアクセスを用いれば高所での作業も可能となるため、重機が使えなくても解体工事を進められます。ただし、手作業や小型重機の利用が中心となるため解体に時間がかかることがあります。
周辺環境によってどの工法を選択するのが良いか柔軟に検討すると良いでしょう。
ここからは鉄塔を解体する際の注意点について取り上げます。一般的な住宅や建物を解体する場合もそうですが、解体工事には常に危険がつきまといます。ちょっとした油断やスキがあると、思わぬ事故やけがにつながる可能性があるので注意が必要です。
第三者への被害を食い止めるという意識を持つことも大切です。具体的にどういった部分に注意すれば良いのかについて理解を深めましょう。
鉄塔を解体する場合は安全対策を徹底的に行うことが重要です。高所での作業を行うこともあるため、事前に昇降訓練を行うことも重要です。当日の天気や気象状況によっては作業の中断や延期を検討することもポイントです。そうした点を含めて、以下のような安全対策を取ることが求められます。
上記のような安全対策を講じた上で、万全の状態で解体工事を行うことが大切です。立入禁止区域の設定も重要であり、場合によってはガードマンなどを設置して通行人の誘導を行うことも有効です。
解体業者の作業員自体もそうですが、第三者を含めて安全対策を徹底し、無事に工事を終えられるように努力する必要があります。
鉄塔解体を行う上では騒音や振動の発生抑止を心がけることも重要です。一定程度の騒音や振動が発生することはやむを得ない部分もありますが、可能な限り養生や防音シートを設置するなど、周辺住民のストレスにならないような工夫をすることが求められます。
また、早朝や夜間の作業を控え、騒音や振動が発生するような作業は日中の明るい時間帯だけにするといった取り組みも重要です。周辺住民の理解を得ながら工事を進めることが大切であり、そのためにできることは積極的に行う必要があります。
周辺住民や通行人への被害を食い止めるという意味では、構造物や粉じんの飛散防止対策を徹底することも重要です。
そのために、立入禁止区域を設定して第三者の安全を担保することが有効です。工事中にネジやその他の部品が落下することもあり、人に直撃すると大変危険です。作業員たちはヘルメットをかぶるのでまだ良いですが、一般の人たちはヘルメットをかぶることはないでしょう。
とにかく第三者への被害を出さないことを意識することが大切です。高さがある分、通常の養生だけでは足りませんが、それでも設置しないよりは設置した方が良いでしょう。粉じんが飛んでしまう場合は、あらかじめ窓を開けたり洗濯物を外に干したりしないように依頼するなど、周辺住民への働きかけを行うことが重要です。
解体業者を選ぶ際には施工実績の確認を行うことが重要です。特に鉄塔のような特殊な構造物の解体に関しては、未経験で行うことが非常に困難です。
地上解体やジャッキダウン工法、ヘリコプターを利用した解体やロープアクセスなど、何らかのスキルを持っていないと作業に当たることができません。一番良いのは鉄塔の解体経験があることですが、経験がなければどういった工法で作業を行えるのか確認することが有効です。
その中で信頼できる業者に工事を依頼して安全に作業を進めてもらいましょう。
安全対策を徹底していても事故が発生してしまうことがあります。1996年の事例ではありますが、愛知県刈谷市で鉄塔の解体を行っていた際に鉄塔が倒れてきて作業員1名が死亡、3名が負傷するという悲惨な事故が発生しました。
事故原因としては、鉄塔の控え線引き込み用クランプの異常によって控え線に滑りが生じたことが挙げられています。どんなに安全対策を徹底していても、ちょっとしたことで死者を出してしまうのが鉄塔解体の恐いところです。
改めて過去の事例を教訓にして、今後同じようなことが起きないように心がけることが大切です。
鉄塔の解体に注目をして、解体工法や工事の際の注意点などをご紹介しました。鉄塔を解体する場合は解体実績や必要なスキルがあるかどうかを軸に業者選びを進めることがポイントです。全ての解体業者が鉄塔を解体できるわけではないので、事前確認を含めて適切な業者選びを行いましょう。
老朽化した鉄塔をそのまま放置しておくのは危険であり、補修や解体が必要となることもあります。その場合はできるだけ早めに手を打つことがポイントです。周辺の安全確保も含めて適切な形で対応を進めていきましょう。
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