ホテルの解体工事はどのように行うのか?費用相場や注意点なども解説

ホテルの解体工事はどのように行うのか?費用相場や注意点なども解説

解体工事の中でも、ホテルの取り壊しはどのように行われるのか、解体費用はどれくらい掛かるのか、気になるという方もいるのではないでしょうか。一般的な建物とは異なり、ある程度の高さがあるホテルの場合は然るべき工法で作業を行う必要があり、その分、解体費用は高額になります。

今回はホテルの解体費用相場や具体的な解体工法、ホテル解体時の注意点などについてご紹介します。ホテルの解体を検討している方、ホテルの解体に興味をお持ちの方は、参考にしてみてください。

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ホテルの解体工法

解体業者の中にはさまざまな技術や経験を持った業者が数多くありますが、そうした技術を発揮できるのがホテル解体の特徴でもあります。

ビルやマンションなどを解体する場合もそうですが、ホテルの解体に際しても特殊な工法を用いることが一般的です。実際にどういった工法があるのか確認しましょう。

複数の工法の組み合わせが基本

まず、ホテルの解体に際しては複数の工法を組み合わせることが多いです。1つの工法だけで解体することもありますが、多くのケースでは複数の工法を駆使して解体作業を行います。

作業の安全性や効率性、周辺環境への配慮など、さまざまな視点を持ちながら行うのが解体工事です。さまざまなニーズに合致する工法を採用することが解体業者に求められる役割であり、1つの工法だけにこだわる必要はありません。

2つや3つの工法を組み合わせた方が作業がスムーズに進むという場合は、躊躇なく取り入れることが重要です。

圧砕工法

圧砕工法とは、重機に装着した油圧圧砕機を利用して部材を挟み込みながら圧縮破砕する工法のことです。

大型圧砕機を利用すれば鉄筋の切断も行えます。最も利用される工法の1つとして知られており、解体業者の中でもメジャーな工法です。

ブレーカ工法

ブレーカ工法とは、重機に油圧ブレーカを装着して打撃破砕する工法のことです。圧砕工法と似た部分もありますが、圧砕工法よりも騒音が大きくなりやすいところがデメリットです。

そのため、市街地や通行量の多い場所などでは使用されないことがあります。ホテルなどの高い建物を解体する場合は、上層階の解体で利用されることがあります。

また、手持ちのハンドブレーカでの解体も可能です。部分的な解体や小規模な構造物の解体、大型重機が入り込めないような場所での作業に重宝します。

フラットソーイング工法

フラットソーイング工法とは、ダイヤモンドブレードを使って平らな部分をエンジン式の駆動機で切断する工法のことです。道路や建物の床などを解体する際に用いられることが多い工法です。

ホテル解体の際も、各階のフロアを解体する際に利用されることがあります。

ワイヤーソーイング工法

ワイヤーソーイング工法とは、ワイヤーソーを解体対象物に巻きつけて駆動装置を使って高速回転させながら切断する工法のことです。

構造物や建物の形状に関係なく大きな対象物をスピーディーに切断できます。コンクリートや鉄筋、鉄骨などの頑丈な構造物についても切断可能です。

タワークレーンによるブロック解体

タワークレーンを利用したブロック解体も解体工法の1つです。これはタワークレーンを設置して、屋上階から順に部材をブロック単位に切断して吊り下ろす工法のことです。

足場の組み方は状況によって柔軟に変更します。外部足場を地上から組む場合もあれば、施工階やその上下階にユニット足場を組むこともあります。

ホテルの解体もそうですが、ビルやマンションなどの高層建造物の解体工事でよく利用される工法です。

屋上でのフロア設置解体

屋上でのフロア設置解体は中小型の重機を移動式クレーンなどで屋上に吊り上げて、屋上から順番に解体する工法のことです。地上で行うのと同じ作業を屋上で行うことからこのようなネーミングとなりました。

建物の周辺に重機を設置するスペースがない場合やロングブームが届かない場合など、地上での作業が難しいと判断された場合に採用される工法です。

構造物にある程度の強度があることが重要であり、屋上での作業となるので、安全性の確保も大切です。床の強度が不足している場合は補強材を使用して強度を上げることもあります。

だるま落とし式解体

だるま落とし式解体とは、だるま落としのように建物の下から解体する工法のことです。具体的には解体対象物の地上付近の柱を切断してからジャッキを設置します。その後、ジャッキダウンと柱切断を繰り返すことでだるま落としのような形を実現します。

基本的には地上での解体となるので、作業員や周囲の安全を確保しやすい工法として注目されています。

ただし、一歩間違えれば建物が倒壊する危険性もあるので、ジャッキの設置を含めて位置や角度などを慎重に分析して作業を行う必要があります。

上部閉鎖式解体

上部閉鎖式解体とは、解体対象物の上部に閉鎖式の解体設備を設置して各階の解体と同時に解体設備を降下させる工法のことです。

上部に設置する解体設備に関しては天井クレーンなどを装備した移動可能な閉鎖式のものを取りつけることが一般的です。

部材をブロック単位に切断して、建物内部からクレーンで降ろすところに特徴があります。騒音発生や粉じんの飛散防止の効果が高い工法であり、周辺環境に配慮しながら作業を行うことができます。

100mを超えるような建物でも十分に対応できる工法として注目を集めています。

テコレップシステム

テレコップシステムとは大成建設が開発した工法のことです。大型ビルや高層マンションを解体する際に利用することが可能で、ホテルの解体でも用いられることがあります。

具体的には建物の屋根を大型のジャッキで支えて蓋にするところから取り掛かります。その後、屋上階の外周に取り付けた防音パネルと一緒に建物上部を覆ってしまいます。

建物上部を閉鎖空間にして解体作業を行い、ジャッキを下げていきます。その繰り返しによって少しずつ建物の高さを低くしていき、最終的に建物を解体します。視覚的に美しく、静かで目立たないといった部分に称賛の声が上がっている工法です。

赤プリの解体工事に採用

テコレップシステムは赤プリと呼ばれる「赤坂プリンスホテル」の解体工事で採用されました。赤プリは1955年に開業され、政治家や芸能人、スポーツ選手をはじめとして、各界の著名人が利用する高級ホテルとして親しまれてきました。

長年にわたって日本を代表するホテルとして活用されてきましたが、2011年3月をもって閉鎖することが決まり、その後2012年から2013年にかけて解体工事が行われました。

その際にテコレップシステムが利用されたことで、工法に大きな注目が集まりました。テコレップシステムの「静かに消すビル解体技術」は当時の社会に大きなインパクトを与えた事象として話題となりました。

テコレップシステムのメリット

赤プリの解体にも採用されたテコレップシステムですが、この工法には複数のメリットがあるのでご紹介します。

  • 解体工事のコストダウンが期待できる
  • 工期短縮に貢献する
  • 人口密集地域や狭小地域などでの解体工事にも対応可能
  • 騒音の抑止や粉じんの飛散防止効果に期待できる
  • 外部への資材落下リスクを低減できる など

こうしたメリットがあることから現在でも改良を進めながら利用され続けています。目立たないように美しく解体できるところに大きな特徴があり、かつての解体工事とは一線を画す工法として大きな注目を浴びることになりました。

竹中ハットダウン工法

竹中ハットダウン工法は竹中工務店が編み出した工法で、ハットと呼ばれる移動式解体設備を利用するところに特徴があります。建物の上部にハットを設置し、下層階へ異動させながら順次解体作業を進めます。

ハットには天井クレーンを含む解体設備が搭載されているため、建物躯体を包むようにしながら降下させられます。

解体した部材も建物内部を通して降ろすので、周囲に飛散する心配がありません。また、作業員の安全性確保という点でも大きな魅力があります。

騒音の発生や粉じんの飛散など、周囲に迷惑となるような事象も防止可能で、静かに落ち着いた環境下で工事が進められていきます。テコレップシステムと同様に、これまでの解体工事とは異なる工法として大きな注目が集まっています。

ホテル解体の費用相場

ホテル解体の費用相場を把握するためには建物の構造と坪数に注目することが重要です。これはホテルの解体に限らず言えることですが、基本的な費用相場に関しては構造と坪数で決まります。

構造ごとの坪単価について以下の表にまとめます。

ホテルの構造坪単価
鉄骨造(S造)3万円~3万5,000円/坪
鉄筋コンクリート造(RC造)4万円~4万5,000円/坪
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)5万円~6万円/坪

おおよその目安として、上記の坪単価を頭に入れておくと良いでしょう。最終的には解体業者から見積もり提示を受けることが重要です。

構造や坪数以外にも周辺環境や作業員の人数、利用する工法や重機、その他の付帯工事の有無に応じて費用合計は大きく変化します。必ず現場調査をしてもらい、業者側の話をしっかりと聞くことがポイントです。

ホテル解体の業者選びについて

ホテルの所有者によって解体業者選びの対応は変わりますが、基本的なパターンについて理解しておきましょう。

ホテルの解体業者は入札で決めることも多い

ホテル解体の業者選びに関しては入札となることも多いです。民間企業が建設したり所有したりしているホテルでも入札によって解体業者を決めることがあります。官公庁系のホテルも基本的には入札で解体業者を選びます。

入札の場合は、指定された金額や工期内に収まるように解体業者も調整を行います。そのため、施主からすればおおよその解体金額を最初から見積もりやすいところがメリットです。

入札に参加した業者の中から最も適正だと思える業者に工事を依頼すれば問題ありません。ある程度の規模や実績のある業者であれば、基本的に信頼して工事を任せることができるでしょう。

複数の建設会社でホテルを解体する場合もある

ホテルの解体工事は比較的規模が大きくなりやすいため、複数の建設会社が共同で工事に当たることもあります。いわゆるJV(Joint Venture)と呼ばれる形で「共同企業体」として1つのホテルを解体します。

本記事で取り上げた赤プリの解体工事に関しても、大成建設と西武建設によるJVが組まれて作業が行われました。JVを組むことによって作業負担を軽減できますし、お互いが持っている技術や経験を共有できるので工事がスムーズに進みやすいというメリットがあります。

1社に任せることもあれば、複数会社に工事を委ねることもあると認識しておきましょう。

自ら探す場合は複数業者への相見積もりが最適

民間企業や個人が所有するホテルなどの場合、入札ではなく自ら解体業者を探すこともあります。その場合は、通常の解体業者選びと同じ工程をたどります。

メールや電話で解体業者に連絡を入れて、現地調査や見積もり提示を経てから契約へといたる流れです。その際に意識しておきたいのが複数業者へ連絡を入れることです。

一般的な家屋や建物を解体する場合もそうですが、ホテル解体に際しても工期や工法、解体費用はさまざまです。どの工法が正しいというのもありませんし、業者によってスキルにばらつきがあります。

その中から信頼できる業者を選ぶためには比較対象を持つことが重要です。できれば3社程度から話を聞いて工期や工法、費用やその他の部分を含めて慎重に検討すると良いでしょう。

ホテル解体の注意点

大規模なホテルを解体する場合や、周辺に高層ビルやマンションが立ち並んでいる場合、人通りや交通量が多い環境で工事を行う場合など、周辺状況に応じて柔軟に対応することが重要です。

作業員の安全を確保することも必要ですが、第三者の安全を確保することも重要です。そうした視点を持ちながら注意点について理解を深めていきましょう。

  • 周辺状況の確認
  • ガードマンと立入禁止エリアの設置
  • 養生や防音シートの設置
  • 作業員の安全確保

周辺状況の確認

ホテル解体に際しては必ず周辺状況を確認する必要があります。特に都心部のホテルの場合は高層の建物が隣接していたり、人通りが多かったりすることも珍しくありません。

また、人口密集地域や狭小地域など、作業に支障をきたすような状況である可能性もあるでしょう。

現場周辺の環境や状況はどのようになっているかによって、工法を検討することになります。できるだけ第三者に迷惑とならないような工法を検討することも解体業者に求められる役割です。

ガードマンと立入禁止エリアの設置

人通りや交通量が多い地域で解体工事を行う場合は、ガードマンと立入禁止エリアを設置する必要があります。

特に歩行者や自転車などがよく通る場所にはガードマンを設置して誘導を行い、場合によっては道路への侵入を防ぐ必要性が出てくることもあるでしょう。道路への侵入を防ぐ場合は、道路使用許可を取得してから自動車の通行規制を行うことも求められます。

道路使用許可

社会的な価値を有し、一定の要件を備えていると判断された場合に道路の使用が許可されること。道路上で工事もしくは作業する行為は「1号許可」に該当。

道路使用許可を取得して立入禁止エリアを設置することで、工事に関係ない第三者の安全性を確保できます。解体工事は当事者だけのものではなく、社会的な行為であることを認識する必要があります。

養生や防音シートの設置

解体工法にもよりますが、基本的には建造物の周囲に養生や防音シートを設置して騒音や振動対策、粉じんの飛散防止対策を徹底します。

人通りの多い場所や住宅街などで作業を行う場合、騒音や振動の影響で近隣トラブルやクレームの発生につながる可能性もあります。そうしたリスクを排除するためにできることは行う必要があります。

テコレップシステムや竹中ハットダウン工法であれば、そうしたリスクもあらかじめ排除しやすくなります。解体工法も含めて、できるだけ周囲に迷惑とならないような方法を検討することがポイントです。

作業員の安全確保

第三者の安全を確保することも重要ですが、作業員の安全を確保することも大切です。特に高所での作業が続く場合は、ちょっとした気の緩みや油断によって大事故につながる可能性があります。

作業前には安全意識の喚起を徹底したり、KY(危険予知)活動を実施して、作業員自身の安全を守ります。また、工事中は5Sを意識して身の回りの清潔感を担保することが大切です。

  1. 整理
  2. 整頓
  3. 清掃
  4. 清潔
  5. 躾(しつけ)

作業道具などが散乱していたりどこにあるのかわからなかったりすると、探す時間が無駄になります。また、ものが散乱していると、つまづいたり引っかかったりして思わぬ危険につながることもあります。

そうした観点からも工事中は常に5Sを意識して身の回りをきれいにすることが求められます。

事故事例

高い安全意識を持って作業を行っていても事故が起きてしまうことがあります。2020年3月には神奈川県横浜市でホテルの解体工事中に金属製パネルが崩落するという事故が発生しました。

10階建てのホテルを解体中でしたが、外壁の周囲に設置されていた防護用の金属製パネルが落下した事故です。

事故原因としては、作業員がクレーン車を操作していた際にクレーン車のアーム部分が防護版を支えていたワイヤーに引っ掛かったことが挙げられています。

この事故によるけが人がいなかったことが不幸中の幸いです。高い場所から金属製パネルが落下して下に通行人がいた場合、死にいたる可能性も否定できません。それだけ悲惨な出来事であり、解体業者としても十分に安全を確保することが大切です。

今後同じような事故が発生しないように再発防止策の検討と対策が求められます。

まとめ

ホテルの解体は一般的な建物の工事と比べて規模が大きくなることが多いです。それだけ周辺環境に注意を払う必要がありますし、第三者へ与える影響も考慮した中で作業を行うことが重要です。

ホテルのような高い建物を取り壊す場合はさまざまな工法を組み合わせることも有効です。業者によって得手不得手はあるものの、該当するホテルの解体に最も適した工法を採用します。場合によってはJV(共同企業体)を組んで作業を行うことも可能です。施主としてもさまざまな方法を模索しながらホテルの解体工事を安全に進めていきましょう。

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